2013年7月24日水曜日

第2回講座「好きな自分を表現しよう!」を開講しました

あっという間に7月下旬ですね。
庭に咲いているあじさいの花が枯れる前に、ドライフラワーにしようと奮闘中の狩野です。
(アジサイのドライフラワーって、きれいにつくるのは難しいんですよ。)

さて。
静岡英和学院大学は、現在、前期の授業と補講期間を終えたところです。明日からは、定期試験が始まります。試験は1週間かけて行われ、その結果で単位が取得できるか否かが決まるので、学生たちも、ドキドキ、ソワソワしています。

はぴねす☆のスタッフも、この期間は通常の活動をストップして、試験に専念します。
みんな頑張ってくださいね。

スタッフの皆さんが試験勉強を頑張っている間に、私は、このところサボっていたブログの更新を頑張りたいと思います!・・・というわけで、今日は第2回の講座の様子をお伝えします。

第2回の講座は、「好きな自分を表現しよう!」です。
講師は、画家の佐藤浩司郎先生でした。

佐藤先生は、静岡市にお住まいで、画家として作品を製作したり、開かれたり、県内を中心に活動をされている先生です。また、大人や子どもを対象とした絵画教室を開いたりしています。
3年前に、はぴねす☆EIWAカレッジをスタートした時から、ずっとこの活動を支援してくださり、毎回講師として参加してくださっています。


とってもやさしい口調と、親しみやすい人柄に、受講生の皆さんもすぐに打ち解けてしまう魅力的な先生です。

 今回の講座の内容は、美術の表現手法の一つである「コラージュ」を学びます。次に、コラージュで自分自身を表現した作品を作ります。最後に、出来上がった作品を、自己紹介のツールとして使い、全員の前で発表を行うというものです。


 まずは、佐藤さんからコラージュについての説明、作業の進め方について説明がありました。
今回のコラージュで特徴的なことは、台紙に「賞状」を使っていることです。
これは、佐藤さんからの提案で実現しました。もともとは、賞状には字を書くものという既成概念を壊すという面白さから、子どもに落書きをさせてみたそうです。そこで、賞状の枠が絵の額縁の役割を果たすことに気づいたり、アートセラピーを行っている方から枠を設定する重要性について助言をうけたりする中で、賞状を台紙にコラージュを施すアイディアが固まったそうです。


会場になった新館の1階のラウンジは、広々していて、大きな窓から光が差し込み、とても気持ちのいいスペースです。受講生の皆さんも、作業のしやすいように一人にひとつづつ机を使っています。

この日は、18名の受講生が参加してくださいました。
受講生のみなさんは、最初から元気いっぱい。「今日は何するのー?」と大きな声で質問してくださいます。皆さんが講座をとても楽しみにして下さっていることが伝わってきて、うれしい瞬間です。


今回は、受講生の皆さんに、自分の好きなものの絵や写真を持ってきていただくようにお願いをしていました。机の上に、お気に入りのコレクションを広げながら、ハサミで切り抜いていきます。手を上手く使えない方の場合は、スタッフやサポーターが、指示を受けながら代わりに切抜きをしました。


 みなさんが好きな物として、持ってきたものを少し紹介しましょう。NHKの朝の連続ドラマ小説「あまちゃん」が大好きな彼は、番組のサイトから写真をプリントアウトして持ってきてくれました。GMT6のメンバーを一人ひとり切り抜いて貼っています。


AKBはやっぱり根強い人気です。何人かの方がAKBやSKEを選んでいました。



他にも、ジャニーズ、福山雅治、Mr.childrenなどのアイドルや歌手の切り抜きや、ペットの犬や猫、雑貨、映画、電車、友だちの写真が、次々と貼られていました。

切り抜きを張るだけではなく、色を付けたり絵を描いた人もいました。


今回、初参加のサポーターも初めてとは思えない動きで、受講生の支援にあたっています。

そして、作業は進み30分程度で、全員の作品が完成しました。
受講生の皆さん、製作お疲れ様でした。ここで、15分間の休憩です。

しかし、スタッフには休む暇はありません。ここからが大忙しです。全員分の作品を写真に納め、休憩後の発表会(表彰式)でスクリーンに表示できるように準備をします。また、一人ひとりの作品にピッタリの賞の名前を考えなくてはなりません。打ち合わせ通りに、自分の役割を遂行します。


さあ、いよいよ表彰式の始まりです。
賞状にちなんで、表彰式の形式で作品の発表を行います。
学校を卒業してからの生活では、なかなか褒められたり、表彰される経験がないので、こういった機会は貴重です。受講生も少し、緊張しているような、していないような…。



講師の佐藤さんが一人ひとりの名前を呼びます。

「〇〇さん」

「はい!」

 ―――大きな声で返事をし、壇上へと上がります。

「かわいいワンちゃんとかわいい笑顔がステキで賞!」

 ―――会場が大きな拍手に包まれます。




そして、受講生は、一人ひとり自分の作品について説明をします。
「この写真は、自宅で飼っているいる犬です。犬の名前は〇〇といいます。〇才です。とても、食いしん坊です。家に帰るといつも出迎えてくれるので、犬の顔を見ると仕事の疲れも吹っ飛んでしまいます。」というように、一つひとつの写真と自分との関わり、思いについて話します。

説明の後は、会場からの質問コーナーです。ビックリするくらいたくさんの質問がでました。
このやり取りを通して、受講生同士がお互いを良く知ることができました。また、同じ趣味を持つ人など受講生同士の接点を見つけることができ、受講生のコミュニケーションの促進にも一役買うことができたのではないでしょうか。
それにしても、受講生の皆さんの知的好奇心の旺盛さ、他者への興味を持つ力の強さに、毎回感心してしまいます。


最後に、それぞれの作品と自己紹介について、佐藤さんから講評がありました。一人ひとりのいい所や個性的な表現を見つけて、そこを評価してくださいました。

佐藤さんの言葉を紹介します。

 「長い長い発表の時間でしたが、一人ひとりの意見を聞けてとっても良かった。僕は、この時間をとても大事にしたいと思いました。製作時間は30~40分で、とても短い時間だったけど、大事なのはこの時間
 切って貼るだけの手軽で単純な作業だけど、その中には、その人の想いとか考えとか経験とかが、みーんな瞬間にしてその中に入り込んじゃうっていう作業です。とてもおもしろい内容だと思います。
 こういうことを、普段の生活の中でもやってみてください。僕も時々やります。自分の気持ちをまとめたり、自分の理想のものを張り込んだりします。理想を、形にあらわすと現実になりやすいんです。そういう目標達成の仕方もあります。自分がこうなりたいなという姿を、ビジョン化(視覚化)すると、目標や何をすればいいかがわかります。すると、好きな自分に近づくことができます。ぜひ、やってみてください。」


試行錯誤で取り組んだ今回の講座ですが、佐藤さんのアイディアとスタッフの頑張りで、想像以上に充実した内容の講座となりました。何を表現しても自由、それがその人自身を表す、という表現の自由さとコラージュという手法の手軽さは、障害のある方の表現方法として、とても有効な方法だと感じました。また、それを通して会話が生まれることが、素晴らしいことですね。

そして、〆は全員が集まって撮影する集合写真です。


プロジェクターの電源を切り忘れて、ごめんなさい!
一部照らされている人がいますが、許してください!!


講座の後の終わりの会で、佐藤さんが今回の講座の感想を話してくださいました。、

「三年やらせてもらっているんですが、毎回、感動しています。
例えば、今日なんか自分を表現するということをテーマに取り組んだんですが、体が不自由であったり、言葉が思うように出てこなかったりする中で、それでもやろうと取り組む姿であったり、それをサポートするスタッフの姿や、一緒にやろうという姿勢に、正直涙が出るくらいうれしいです。
そういうシーンを毎回、見ることができて、僕自身、自分を振り返ったり学ぶことが多いです。
みんなから学んだことを、自分の表現に生かしていきたいと思います。ありがとうございました。」

こちらこそ、毎回楽しくて、みんなが仲良くなれる講座をありがとうございます!
これからもよろしくお願いします!!

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