2013年5月11日土曜日

学習サポーター養成講座を開催しました

気が付いたら、ゴールデンウィークが終わっていました!

このブログでは、事前の告知ができませんでしたが、この間も着々とはぴねす☆の活動は進められていました。
そして、迎えた今日!はぴねす☆の2013年度の初のイベント

来て!見て!感じよう!知的障害者の世界

~学習サポータ-養成講座~

が行われました。


この講座は、6月からスタートする「はぴねす☆EIWAカレッジ」で、受講生がスムーズに講座を受けることができるよう支援するボランティア(学習サポーターと呼んでいます)を養成するための講座です。
朝から雨が降り続く生憎のお天気でしたが、障害者福祉について学んでいる学生30名が参加してくれました。


さあ、いよいよ講座が始まりました。司会は3年生の相田くんです。配布資料の確認やスケジュールの説明を丁寧に行ってくれました。


次は、実行委員長の伊藤さん(3年生)から、オープンカレッジについての説明です。オープンカレッジの目的や概要、昨年度はぴねす☆で実施した講座の内容を紹介しました。
ゆっくりと落ち着いたトーンの説明に、参加者はうなずきながら聞いていました。
パソコンの操作との息もピッタリでしたね。


いよいよ、本題です。知的障害についての説明を私、狩野が担当しました。
ここでは、知的障害に関する問題を出し、○×で答えてもらうというクイズ形式で理解度チェックをしました。

「Q1 勉強ができなければ知的障害?」という問題に、元気よく手元の札をつかって答えてくれました。参加されたみなさんは、正解率が高く、とても優秀な成績を修めていましたよ。

理解度チェックの後は、「知的障害を体験しよう」のコーナーです。
ここでは、二つの体験をします。
一つ目は、「言葉が伝わらないってどんな気持ち?」です。

会場の参加者1名に協力をお願いし、教室の外に出て待機していただきます。
その間、教室は「ピカ語」しか通じない「ピカピカ王国」に大変身!
教室内で参加者で打ち合わせをした後、外で待機していた協力者に入室してもらいます。


何も知らない協力者は、突然「ピカ語」で話しかけられ、戸惑います。
「ピカピカ」と早口でまくしたてられ、イライラされ、大声で怒鳴られ、大混乱。それでも、ジェスチャーと絵を手掛かりに、なんとか意味を理解するというストーリーです。

参加者の方の戸惑う様子に、会場から笑い声が起こりました。
言葉がわかる人には、おかしく映りますが、当の本人はあまりいい気はしませんね。
たった一人言葉がわからない状況に置かれたらどんな気持ちになるか、ということを疑似体験するコーナーでした。

二つ目は「どうしてうまくできないの?」です。
これは手先がうまく動かない、自分でやりたいのにできない、お世話されてしまう気持ちを体験するコーナーです。

参加者の方には、軍手をゆる~くはめた状態で、折り紙を折ってもらいます。制限時間は2分。
思うように指が動かず、もどかしい状態で、せっせと鶴を折ります。

 
「手がすべる~。」「うまく折れない!」と言いながら、みんな必死に折っています。


スタッフは、会場中を回って遅い人やうまく折れていない人をチェック!
「早く早く!」「時間ないですよ。」「そこ、汚いですよ。もっときれいに折ってください。」と声が響きます。
 
「はい、そこまでー!」と司会の声でタイムアップ。最後まで折れた人は殆どいませんでした。
感想を参加者に聞いてみると、「急かされて嫌だった」「本当はできるのに思うように折れなくて、くやしかった」といった声が聞かれました。
 
 
誰だって「早く早く」と急かされたら嫌な気持ちになりますし、やる気がなくなりますよね。
では、どんな風に接してもらえたら、うれしいでしょう?
ここでは、体験を振り返って、良くない接し方と望ましい接し方について説明をしました。
 
体験コーナーの最後は、当事者が支援者に望んでいることについてお話しました。
 
 
「支援に関する32か条」や「ピープルファースト」の考え方を通して、当事者の声を紹介しました。
特に、「支援に関する32か条」は、参加者の胸に訴えるものがあったようで、皆さん真剣に聞いていました。
 
「支援に関する32か条」は、その一つひとつがハッとするような内容で、私にとっても原点に立ち返らせてくれる大切なものです。興味のある方は、You tubeで見ることができます(You tubeでは「支えの信条」というタイトルで公開)。ぜひ、一度見てみてください。
 
 
最後は、「学習サポーター」について大谷さん(3年生)が説明をしました。
 
 
学習サポーターは、講座の際に何をするのか、その役割と支援内容を具体的に伝えました。
読めない漢字を読んだり、代筆したり、発言を引き出したり、時には精神的にサポートしたりしながら、受講生がスムーズに講座に参加できるよう支援します。
 
学習サポーターは、講座に欠くことのできない重要な存在です。
また、実際に障害のある方と関わることで、学べることが沢山あります。
そして何より、一緒に学ぶことって、本当に楽しいことなのです。
 
終わりのあいさつを担当してくれた山田さん(2年生)も、昨年1年間学習サポーターとして参加する中で、わかりやすい話し方のコツをつかんだそうです。
また、ポイントさえ押さえれば、友人と接するのと全く変わらない、同じだと実感したと話してくれました。
一人でも多くの方が、学習サポーターとして6月からの講座に参加してくれるといいですね。
 
新しいスタッフを迎えて行った初めてのイベント、無事に終了をいたしました。
スタッフのみなさん、お疲れ様でした。
次の講座に向けて、また頑張りましょう!!