2012年9月26日水曜日

Kさんを訪ねて~静岡県立こども病院医学図書室の見学

去る9月26日、3年生のゼミメンバーと一緒に、静岡県立こども病院に見学に行ってきました。

みなさん、病院の中に図書室があること、ご存知でしたか?
恥ずかしながら、私は、今回の見学のきっかけとなったKさんを通して、初めて知りました。

静岡県立こども病院の中には、医師や患者、患者の家族を対象とした「医学図書室」が設置されています。ここでは、通常の図書館や書店などでは扱っていない専門的な医学情報を提供しているそうです。そのため、図書室には、医学書、医学雑誌が所狭しと並んでいます。
病気の治療のため、医師がその情報を求めることもあれば、患者の家族が、病気について知識を得るために図書室を訪れることもあるそうです。また、一部の棚には、人気の漫画や絵本が置かれており、病棟から出る許可をもらった子どもたちが、お気に入りの本を探しに来る院内のお楽しみスペースにもなっているそうです。

今回、私たちを招待してくださったのは、その医学図書室で働くKさんです。Kさんは、身体障害をお持ちのかわいらしい女性です。静岡英和学院大学に障害者の就労について当事者の立場からお話に来てくださったことがご縁となり、KさんとKさんの上司のTさんから、Kさんの働いている姿を見に来ませんか?と声をかけていただき、今回の見学が実現しました。

こちらが医学図書室です。
写真には映っていませんが、左奥には、本棚がズラッとならび、分厚い専門書がたくさんあります。


 Kさんが普段使っているデスクの周りに集まり、詳しい仕事の内容について、実際に作業を見せていただきながらお話をうかがいました。ゼミ生5人の表情も真剣そのもの。ちゃんとメモを取りながら聞いていますね。(よし、よし。)


Kさんのお仕事は論文等の文献検索のお仕事です。
 医師から文献の問い合わせがあると、検索システムを使ってどこにあるかを探し出し、文献のコピーを用意し、依頼主に届けるというものです。医学分野の文献ですから、中には英語の文献の依頼もあります。また、治療に役立てるための文献依頼であるため、仕事には正確さ・丁寧さはもちろん、迅速さも求められます。
 
 

 手に麻痺があるKさんですが、そこは事務のプロとして要求に答えるよう、常に努力をしているそうです。


 Kさんが就職して間もない頃は、上司のTさんが教えつつサポートしていたそうですが、1年が経過した今ではKさんが一人でこの業務を行っています。その仕事ぶりは、Tさんも太鼓判を押すほどです。
 
 


 少しはにかみながらも、自分の仕事について自信を持ってお話をされるKさんの姿を見て、学生たちも多くのことを感じたようです。

 
 私が印象的だったことは、「こども病院」でKさんが働くことは、単なる「障害者の就労」という意味に留まらず、病院に通う子どもや家族に希望を与える意味を持つ、ということです。
 この図書室が、Kさんの存在が「将来、Kさんみたいになりたい」、「障害を持っていても、社会の中で仕事を持ち、働くことができるのだ」と、訪れた方に将来の希望を与えているのだとしたら、これほど大きな社会貢献はないのでしょうか。

 「障害者の就労」というと、社会が障害者のために貢献するという側面が強調されますが、障害者が働くことによって社会に貢献できることが多くあることを今回の見学を通じて改めて強く感じました。

 「障害者をはじき出す社会は弱くてもろい社会である。」という言葉があります。社会のあらゆる場に障害のある人が参加することによって、社会の変化が促進され、誰にとっても生活しやすい社会、安心して障害をもつことができる社会になるといいですよね。
 静岡県立こども病院医学図書室は、そのための取り組みを、着実に進めています。これからもずっと、その活動を見つめていきたいと思います。

 お世話になったKさん、Tさん、貴重な時間を割いてこのような機会を作ってくださり、ありがとうございました。また、本文では紹介できませんでしたが、地域医療連携室の医療ソーシャルワーカーの方々にも、お話をうかがわせていただきました。突然のお願いにもかかわらず、快く対応してくださり、ありがとうございました。人と人が取り持つご縁に導かれ、その有難さを感じた訪問でした。

2012年9月4日火曜日

岩手東日本大震災津波 現場職員の支援を

9/2から一泊二日でヒアリング調査に行ってきました。
震災後、東北を訪れるのは2回目。岩手は初めての訪問でした。
1日目は盛岡で行政機関・支援機関の方のお話を伺い、2日目は釜石市に移動し、鵜住居地区の仮設住宅にあるサポートセンターの方にお話を伺ったりしました。

(写真は鵜住居地区仮設住宅の中のサポートセンター)

感じたことはたくさんありましたが、私が一番強く感じたことは、現場で働くソーシャルワーカー(職員)の方も、支え続けなければならないということです。自らが被災しながらも、利用者のためにと奔走している方がたくさんいて、頭の下がる思いです。
しかし、復興までの長い時間が必要です。一時の頑張りでは、耐えることができません。サービスを利用する方のためにも、ソーシャルワーカーの方が倒れない、バーンアウトしないための長い長い支援の仕組みが必要なのです。

岩手で見聞きしたこと、考えたことについては、たくさんあるので少しずつお伝えしたいと思います。
 

ちょうど、調査前日の9/1は防災の日にあたり、様々なテレビ局で震災関連の番組が放送されていましたね。NHKでは、「釜石の奇跡」はなぜ起こったのかを子どもにもわかるようにアニメを用いながら検証する番組が放送されていました。写真は、その奇跡の舞台、釜石小学校です。




ブログサイトの移転、および再開のお知らせ

お久しぶりです。
私のうっかりミスが原因で(多分)、サイトにアクセスできず更新できない日が続いていました。
旧サイトはあきらめ、新たにこちらのサイトで、情報発信をしていきます。
古い記事も徐々にこちらに移しつつ、はぴねす☆EIWAカレッジの活動をはじめ、「今」の情報をお伝えしたいと思います。

更新できなかった期間の出来事もこれから投稿していきますよ。
どうぞ、よろしくお願いします。

2011年度のはぴねす☆EIWAカレッジの情報は以下のサイトで紹介しています。
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